退去時のクロス請求|画鋲・ピン穴は借主負担?
退去が近づいてくると、壁に開けた画鋲やピンの穴が急に気になりますよね。
「小さい穴でもクロス代を請求される?」
「敷金から引かれたらどうしよう…」
結論からいうと、下地ボードの張り替えが必要ない程度の小さな画鋲・ピン穴は、借主負担にならないことが多いです。
ただし、釘やネジで開けた大きな穴、重い物を掛けるために開けた穴、契約書に特約がある場合は、話が変わることもあります。
この記事では、画鋲・ピン穴と釘・ネジ穴の違いを、クロス屋目線でわかりやすく解説します。
結論|小さな画鋲・ピン穴は貸主負担の目安
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、下地ボードの張り替えが不要な程度の画鋲・ピン穴は、貸主負担の例として示されています。
カレンダーや軽いポスターを飾るために使った、小さな穴をイメージするとわかりやすいです。

なので、普通に生活していてできる程度の小さな穴なら、退去時にすぐ「クロス張り替え代です」と請求されるものではありません。
画鋲・ピン穴と釘・ネジ穴は何が違う?
画鋲・ピン穴と、釘・ネジ穴は似ているようで扱いが違います。
ポイントは、穴の大きさと、どこまで補修が必要かです。

画鋲・ピンの小さな穴
小さな画鋲やピンで、クロスの表面にできた程度の穴なら、下地ボードまで交換する必要は通常ありません。
そのため、国土交通省のガイドラインでは貸主負担の例として扱われています。
釘・ネジの大きな穴
棚や時計など、重い物を掛けるために釘やネジを打った場合は注意が必要です。
穴が大きく、下地ボードまで補修や張り替えが必要になる状態なら、借主負担になる目安です。
「画鋲なら大丈夫、ネジなら絶対ダメ」と単純に決まるわけではありません。実際の穴の状態と、どこまで補修が必要かで見られます。
穴が大きいときの補修方法は、壁紙の穴は自分で直せる?補修方法と退去費用でも詳しく解説しています。
退去時に確認しておきたい3つのこと
1.契約書に特約がないか
まず確認したいのが、賃貸借契約書です。
「画鋲の使用禁止」「壁の穴は借主負担」など、原状回復に関する特約が書かれていないか見ておきましょう。
特約があるからといって、その場ですべて納得する必要はありません。ただ、退去費用の話をするときに大事な確認ポイントになります。
2.請求の内訳が具体的か
もし請求された場合は、「クロス一式」とだけ書かれた内容で判断せず、どの壁のどの部分を、どんな理由で補修するのかを確認しましょう。
小さな穴なのに部屋全体の張り替え費用が入っている場合は、見積書の内訳を聞いてみるのがおすすめです。
3.退去前に壁の状態を撮っておく
立ち会い前に、気になる場所をスマホで撮っておくと安心です。
あとから「最初からあった傷か」「退去時に付いた傷か」で話が変わることもあるので、入居時の写真が残っていれば一緒に確認してみてください。

画鋲・ピン穴についてよくある質問
画鋲穴が何個もあると請求される?
小さな穴で、下地ボードの張り替えが不要な程度なら、数だけで必ず借主負担になるとは限りません。
ただし、穴が集中している、壁が傷んでいる、契約書に特約があるといった場合は確認が必要です。
管理会社から請求されたら払うしかない?
納得できないときは、まず請求内容と見積書の内訳を確認しましょう。
その場で急いで決めず、「どの部分の、どんな補修費用なのか確認してから返事します」と伝えて大丈夫です。
クロスは6年で価値がなくなるって本当?
借主負担になる傷でも、クロスには経過年数を考慮する考え方があります。
6年償却については、こちらの記事で詳しく解説しています。
退去時のクロス請求は6年でどうなる?負担割合をクロス屋が解説
まとめ
小さな画鋲・ピン穴は、下地ボードの張り替えが不要な程度なら、貸主負担とされるのが一般的な目安です。
一方で、釘・ネジ穴のように大きな穴になっていたり、重い物を掛けるために開けていたりすると、借主負担になる可能性があります。
退去費用で後悔しないためにも、請求されたときは「どこを、なぜ、どの範囲で補修するのか」を確認してみてください。
※この記事は一般的な情報です。実際の負担は、契約内容や物件の状態によって異なるため、個別の契約書・管理会社の説明を確認してください。