賃貸の冷蔵庫・テレビ裏の壁紙が黒い!退去費用はかかる?クロス屋が解説
退去前に冷蔵庫やテレビを動かしてみたら、
「壁紙が黒くなってる…」
「なんか黄色っぽくなってる…」
こんな状態になっていて焦ったことはありませんか?
長期間動かしていなかった家電の裏は普段見えないので、退去時に初めて気付くこともあります。
「これってクロスの張り替え代を請求されるの?」と心配になりますよね。
でも、冷蔵庫やテレビの裏にできる黒ずみなどは、普通に生活していても発生する「電気ヤケ」の可能性があります。
この記事では、20歳からクロス屋として現場で壁紙を施工している僕が、冷蔵庫・テレビ裏の壁紙の変色と退去費用について分かりやすく解説します。
冷蔵庫・テレビ裏の黒ずみは「電気ヤケ」の可能性がある
冷蔵庫やテレビなどの家電を長期間同じ場所に置いていると、後ろの壁紙が黒っぽく変色することがあります。
一般的に「電気ヤケ」と呼ばれるものです。
家電周辺にはホコリなどが付着しやすく、長期間設置していることで壁紙に黒ずみが残ることがあります。

家具や家電を置いている間はほとんど見えないため、引っ越しのときに初めて気付く人も多いと思います。
黒ではなく黄色っぽくなることもある
実際にクロスの現場をやっていると、必ずしも真っ黒になっているとは限りません。
黒ずんで見える場合もあれば、黄色みがかったように変色していることもあります。

そのため、「黄色い=タバコのヤニ」と見た目だけで決めつけるのはおすすめしません。
ヤニ・油汚れ・電気ヤケなど、何が原因なのかを確認することが大切です。
普通に生活していれば完全に避けるのは難しい
冷蔵庫やテレビは生活するうえで普通に使う家電です。
長年同じ場所に設置して生活していれば、壁紙への影響を完全に避けるのは難しいと思います。
冷蔵庫を使わずに生活するわけにもいきませんよね。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも、テレビや冷蔵庫などの後部壁面にできる黒ずみ、いわゆる電気ヤケは通常使用によるものとして整理されています。
つまり、「壁紙が変色している=すべて借主の責任」というわけではありません。
電気ヤケなら退去費用は原則として借主負担ではない
ここが一番気になるところだと思います。
通常の生活によってできたテレビや冷蔵庫裏の電気ヤケについては、国土交通省のガイドラインでは通常使用による損耗として整理されています。
そのため、普通に冷蔵庫やテレビを設置して生活していただけなら、「黒くなっているからクロス代を全額払ってください」と単純に決まるものではありません。
ただし、壁紙の変色がすべて電気ヤケとは限りません。
原因や状態によって判断が変わる可能性があることは覚えておきましょう。
最近は背面を壁につけて設置できる冷蔵庫もある
「壁から離して置かなかった自分が悪いのかな?」と思う人もいるかもしれません。
現在の冷蔵庫には、機種によって背面を壁につけて設置できるものもあります。
一方で、放熱に必要なスペースや正しい設置方法はメーカーや機種によって異なります。
そのため、「冷蔵庫は必ず壁から○cm離す」と一律には言えません。
「黒い=全部電気ヤケ」ではないので注意
ここは重要です。
壁紙が黒くなったり黄色っぽくなったりする原因は、電気ヤケだけではありません。
- タバコのヤニ
- カビ
- 油汚れ
- 手入れ不足による汚れ
- 物をぶつけた傷
- 実際に焦げている
など、別の原因も考えられます。
特にキッチン周辺の冷蔵庫では、電気ヤケ以外の汚れが混ざっている場合もあります。
原因によって退去費用の考え方も変わるため、見た目だけで判断しないことが大切です。
ヤニ汚れについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
→ 賃貸の壁紙についたヤニ汚れは落とせる?クロス屋が掃除方法を解説
カビの場合はこちら。
クロス屋から見ると張り替えが必要になることもある
実際の現場では、壁紙の状態によって対応が変わります。
軽い汚れなら清掃で目立たなくなることもあります。
一方、長期間付着した汚れや変色は、掃除しても跡が残り、きれいに仕上げるためにクロスを張り替えることもあります。
ただし、ここで覚えておいてほしいのが、「クロスを張り替える必要がある」ことと「その張り替え費用を借主が負担する」ことは別の話だということです。
張り替えになったからといって、必ず借主が全額負担するわけではありません。
退去前に無理して掃除しすぎない
黒ずみや黄ばみを見つけると、「退去前に何とか落とさないと!」と思って強くこすりたくなるかもしれません。
でも壁紙は意外とデリケートです。
- 壁紙の表面が削れる
- 色が変わる
- 継ぎ目がめくれる
- 表面の柄が傷む
といったことがあります。
軽く拭いて落ちない場合は、無理にゴシゴシするのはおすすめしません。
汚れを落とそうとして、逆にクロスそのものを傷めてしまう可能性があるからです。
退去立ち会いではその場ですぐサインしない
これは退去するときに覚えておいてほしいポイントです。
立ち会いで「ここのクロスが汚れているので張り替えですね」と言われても、内容が分からないまますぐにサインするのはおすすめしません。
まずは、
- 何が原因の汚れなのか
- なぜ借主負担になるのか
- どの範囲を張り替えるのか
- いくら負担することになるのか
を確認しましょう。
特に冷蔵庫やテレビ裏の変色なら、通常使用による電気ヤケに該当する可能性があります。
クロスには「6年」の考え方もある
もし借主側の負担になるクロスの損傷だったとしても、「新品のクロス代を全部払う」とは限りません。
国土交通省のガイドラインでは、壁紙(クロス)は経過年数を考慮し、6年で残存価値が1円となるような考え方が示されています。
ただし、「6年以上住んでいれば何をしても0円」という意味ではありません。
ここは勘違いされやすいので、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ|冷蔵庫・テレビ裏が変色していてもまず原因を確認しよう
冷蔵庫やテレビを動かして壁紙が黒くなっていたり、黄色っぽく変色していたりしても、まずは慌てなくて大丈夫です。
通常使用によって発生した電気ヤケであれば、国土交通省のガイドラインでは通常使用による損耗として整理されています。
一方で、ヤニ・カビ・油汚れなど別の原因なら扱いが変わる可能性があります。
大切なのは、「壁紙が汚れているから払う」ではなく「なぜ汚れたのか」を確認すること。
そして退去立ち会いでも、内容が分からないまますぐにサインせず、請求理由や範囲を確認しましょう。
クロス屋として現場を見ていても、壁紙は汚れの原因や状態によって対応方法が変わります。
無理に自分で直そうとせず、状態に合わせて適切に対応することが大切です。
